<2013年1月12日>   
   賢いお話と思い、載せました。
   「体罰は自立妨げ成長の芽摘む」
     桑田真澄さん経験踏まえ

  【岡雄一郎】
   体罰問題について、元プロ野球投手の桑田真澄さん(44)が朝日新聞の取材に応じ、
  「体罰は不要」と訴えた。
  殴られた経験を踏まえ、「子どもの自立を妨げ、成長の芽を摘みかねない」と指摘した。
  私は中学まで毎日のように練習で殴られていました。
  小学3年で6年のチームに入り、中学では1年でエースだったので、上級生のやっかみもあった
  と思います。 殴られるのが嫌で仕方なかったし、グラウンドに行きたくありませんでした。
  今でも思い出したくない記憶です。
   早大大学院にいた2009年、論文執筆のため、プロ野球選手と東京六大学の野球部員の
    計約550人にアンケートをしました。
  体罰について尋ねると、「指導者から受けた」は中学で45%、高校で46%。
  「先輩から受けた」は中学36%、高校51%でした。「意外に少ないな」と思いました。
  ところが、アンケートでは「体罰は必要」「ときとして必要」との回答が83%にのぼりました。
  「あの指導のおかげで成功した」との思いからかもしれません。でも、肯定派の人に聞きたい
  のです。指導者や先輩の暴力で、失明したり大けがをしたりして選手生命を失うかもしれない。
  それでもいいのか、と。
   私は、体罰は必要ないと考えています。「絶対に仕返しをされない」という上下関係の構図で
  起きるのが体罰です。監督が采配ミスをして選手に殴られますか? スポーツで最も恥ずべき
  ひきょうな行為です。殴られるのが嫌で、あるいは指導者や先輩が嫌いになり、野球を辞めた
  仲間を何人も見ました。スポーツ界にとって大きな損失です。
   指導者が怠けている証拠でもあります。暴力で脅して子どもを思い通りに動かそうとするのは、
  最も安易な方法。昔はそれが正しいと思われていました。でも、例えば、野球で三振した子を
  殴って叱ると、次の打席はどうすると思いますか? 何とかしてバットにボールを当てようと、
  スイングが縮こまります。それでは、正しい打撃を覚えられません。
  「タイミングが合ってないよ。どうすればいいか、次の打席まで他の選手のプレーを見て勉強して
  ごらん」。そんなきっかけを与えてやるのが、本当の指導です。
   今はコミュニケーションを大事にした新たな指導法が研究され、多くの本で紹介もされていま
  す。子どもが10人いれば、10通りの指導法があっていい。「この子にはどういう声かけをしたら、
  伸びるか」。時間はかかるかもしれないけど、そう考えた教え方が技術を伸ばせるんです。
  「練習中に水を飲むとバテる」と信じられていたので、私はPL学園時代、先輩たちに隠れて便器
  の水を飲み、渇きをしのいだことがあります。手洗い所の蛇口は針金で縛られていましたから。
  でも今、適度な水分補給は常識です。スポーツ医学も、道具も、戦術も進化し、指導者だけが
  立ち遅れていると感じます。
   体罰を受けた子は、「何をしたら殴られないで済むだろう」という後ろ向きな思考に陥ります。
  それでは子どもの自立心が育たず、指示されたことしかやらない。自分でプレーの判断ができ
  ず、よい選手にはなれません。 そして、日常生活でも、スポーツで養うべき判断力や精神力を
  生かせないでしょう。

 
  朝日新聞社
  子育て、子供育ても、教えていただいている様に思いました。